共著の論文では,ShareLatex や Overleaf などのツールを使うと,Googleドキュメントのように複数人が同時に編集できるため,とても効率的に(短時間で)良い論文を執筆できます.
外部にデータを置くのはちょっと…という人には,ShareLatex を自前サーバーで運用する,というオプションもあります.
https://github.com/sharelatex/sharelatex
CVPRのような英語論文では,これらのツールは問題なく動くので,非常に便利なのですが,日本語論文,特に,学会提供クラスファイルが,新しめの環境では,うまく動きません…(日本語自体は使えますが,学会スタイルが使えないということです…)
Overleafの場合は,こちらの記事が詳しく書かれているし,学会スタイルも使えます.しかし,ShareLatexは今のところうまくいかないという感じです…
解決方法
日本語論文でもShareLatexを使いたい,ということで,疑似的なスタイルファイルを作って,執筆はShareLatex上で行い,投稿する時は,学会提供クラスファイルを使ってローカルでコンパイル,という作戦をとることにしました.他の解決策として,別の記事で,改造版ShareLatexを自前サーバーで運用する,という方法も紹介しています.
情報処理学会研究会原稿の疑似スタイルファイルは以下のリンクからダウンロードできます.
https://github.com/ken1row/IPSJ-techrep-xelatex
使い方
執筆時
- 以下の4つのファイルをShareLatexにアップロードする.
- ipag.ttf
- ipamjm.ttf
- ipsj.sty
- tech_jsample_xela.tex
- ShareLatex の左上メニューから,コンパイラに XeLaTex を設定する.
- tech_jsample_xela.tex を同時共同編集する.
投稿時
- tech_jsample_xela.tex をダウンロードし,以下の2行をコメントアウトする.
\documentclass[a4paper]{article} \usepackage{ipsj}
- 以下の行を有効にする.
\documentclass[submit,techreq,noauthor]{ipsj}
- (Windows の場合) compile_original.bat をダブルクリックし,コンパイルする.
(その他のOSの場合) 文字コードをそれぞれの環境に合わせて変換し,platex でコンパイルする.
注意事項
- この疑似スタイルは,情報処理学会とは何の関係もありません.自己責任で使用してください.
- CVIM研究会で使用されるような,情処研報の和文スタイルだけです.キーワードや英語アブストラクト等には対応していません.
これで,先生のチェック中は執筆が止まる,というような時間的なロスがなくなるので,ジャンジャン論文を生成できますね!
論文執筆,がんばっていきましょう!